止まっていた時間が、また動き出す。
みなさん、こんにちは。 毎日を忙しく過ごしていると、ふと「本当の豊かさってなんだろう?」と立ち止まってしまうことはありませんか?
今日は、私の腕で健気に時を刻んでくれている、古くて小さな仲間をご紹介させてください。
スマートな日常から、あえて離れてみて
少し前まで、私はSONYやフォッシルといったメーカーのスマートウォッチを愛用していました。最新の機能が詰まっていて、通知が届くのは確かに便利です。
けれど、ふと気づいたんです。 「意外と仕事で使いこなせていないかも…」 「毎日の充電、ちょっと面倒だな…」
そんな小さな違和感が積み重なったとき、ふと思い出したのが、電池で動く「普通の時計」のことでした。
数十年前の記憶
私の手元にあるのは、SEIKO(セイコー)の「TYPE II(タイプ2)」。 今から数十年以上も前に発売された、昭和の趣が残る質素な時計です。
実はこれ、私が高校に入学したとき、今は亡き父にお祝いで買ってもらったものと同じモデルなんです。大学を卒業し、就職して……がむしゃらに働いているうちに、いつの間にか失くしてしまっていた、思い出の欠片。
「もう一度、あの時計に会いたい」
そんな懐かしさに駆られてWEBオークションを探してみたところ、奇跡的に動いている同じ機種を見つけることができました。
不思議な時計
届いた時計に新しい電池を入れて、ワクワクしながら腕に巻きました。 ところが、ちょっと不思議だったんです。
机に置いているときは元気に動くのに、腕に着けると止まってしまう……。まるで出かけるのを怖がっているような、不思議な動きをしました。
「やっぱり古いものだし、難しいのか」
そう思って1ヶ月ほど休ませてあげた後、何気なくもう一度着けてみたんです。するとどうでしょう。今度は止まることなく、それから2年もの間、休まずに時を刻み続けてくれています。
あの1ヶ月は、私の腕に慣れるための準備期間だったのかもしれません。
「今」を一緒に歩むパートナー
地元の時計屋さんに相談したところ、「もう部品がないから、壊れたら直せないよ」と言われてしまいました。
いつか止まってしまう日は来るのかもしれません。 けれど、何の変哲もないこの質素な時計には、父との思い出や、一度失くしてまた巡り合えた縁など、たくさんの温かな感情がのっかっています。
毎朝、当たり前のように動いている文字盤を見るたびに、「今日も頑張ろう」と健気なパワーをもらっています。
最新のものも素敵けれど、思い出と一緒に時を刻む贅沢も、なかなかいいものですよ。
みなさんの引き出しの奥にも、眠っている思い出の時計はありませんか?
