運命を分ける「隣の席の鼻すすり」
数年前から始まったリスニング大問1の「1回再生」。これ、なかなかのプレッシャーですよね。 集中力をマックスに高め、全神経を耳に集中させているその瞬間……
「ズズッ……」 「ゴホン!」
……終わった。今の「Tuesday」だった?それとも「Thursday」? 隣の彼(彼女)に悪気がないのは百も承知です。風邪気味なのも聞き逃したのもお互い様。でも、その一瞬の生理現象で点数が左右されるとなると、仏の心を持つ受験生だって「おいおい頼むよ〜!」と心の中で叫びたくなります。
「隣を逆恨みしない」という道徳心を試される試験。それが今のリスニングなのかもしれません。せめて大問1だけでも、以前のように2回流してくれませんかね?心の平穏と、公平なチャンスのために。
「爆速で終わる」という謎の現象
さらに、近年の傾向である「長文のボリュームアップ」と「英作文の増加」。 これにより、不思議な光景が見られるようになりました。
英語が苦手な生徒ほど、誰よりも早くペンを置き、悟りを開いたような表情で虚空を見つめている。
本文が長すぎて「あ、これ読んでも無理なやつだ」と察した瞬間、記号をササッと埋めてフィニッシュ。秀才たちが必死に長文と格闘している横で、一番乗りで解答を終える。これぞ、現代の入試が生んだ「逆転のスピードスター」現象です。
でもこれ、笑い話のようでいて、実はちょっと悲しいことですよね。
「解く楽しさ」を取り戻したい
本来、テストって「あ、これ塾でやったやつだ!」的な爽快感や、「Aかな?Bかな?」と悩むワクワク感があるべきだと思うんです。
今の構成だと、終わった後に残るのは「やり遂げた達成感」ではなく、ただただ「削られた精神の疲労感」だけ。これでは、「高校に入ったら国際科で英語を頑張ろう!」なんてキラキラした夢を持つ前に、「英語、もうお腹いっぱいです……」と胃もたれを起こす生徒が増えてしまうかもしれません。
1回再生の緊張感より、聞き取れた時の喜びを。
圧倒される分量より、読み解く手応えを。
「よし、できた!」というあの気持ちよさを、受験生の手に取り戻してあげたいものです。
試験を作る方も、きっと時間配分の調整が大変なのだとは思います。でも、受験生が英語を「嫌いな科目」ではなく「ちょっと面白いかも」と思えるような、そんな愛のある問題構成になることを切に願っています。
とりあえず今は、隣の席の子が風邪をひかないことを祈りつつ、1回で聞き取る耳を鍛えるしかなさそうですね。
頑張れ、沖縄の受験生!
